頼光と酒呑童子の伝説(2)
頼光主従が険路を進んで行くと、川で血に染まった衣服を洗っている若い娘を見かけた。
娘に話しかけると、娘は「私は都の者ですが、鬼どもに捕らえられてしまいました。
これは、堀川中納言さまの姫君の着物です。鬼達は、若い娘の血を酒として飲み、娘の肉を肴としているのです。次は自分の番かと思うと、生きた心地がしません。」と言って泣き崩れた。
頼光は、自分達のことを娘に話し、「必ず鬼どもを倒すから、鬼の岩屋まで案内してくれぬか。」と頼んだ。
娘はその言葉に喜び、さっそく頼光らを岩屋へ案内した。
しかし、岩屋には鉄の門があり、番兵の鬼が見張っていた。
一行は、「道に迷ったので、今晩泊めてもらえぬか?」と言うと、番兵の鬼が酒呑童子にそのことを伝えに行った。
宴の最中であった酒呑童子は、「それは思わぬご馳走じゃ。ここへ連れてまいれ。」と言った。
頼光らは許しが出たので、奥御殿へと進んで行った。
中に入ると、大格子模様の着物、紅の袴をつけた童子がいた。
そして童子は、「この深い山の中にどうやって入って来れたのだ?」と聞いてきた。
頼光は、「私たちは役行者の山伏の一行で、出羽の国羽黒山から大和の大峰山へと旅に出ました。途中、山道を修行しているうちに、童子どのにお目にかかれたのです。
これもひとえに役行者のお引き合わせでしょう。
私どもは佳酒も持ち合わせています。どうか一夜の宿をお願いしたい。」と言った。
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