薄墨の笛について(3)400年前のこと
今から400年前のこと、薄墨の笛は、駿河の大名・中村一氏によって補修されたとの記録が残っています。
「源義経所持 薄墨の笛 中村式部少輔 再興 笛の頭に金にて村の字を置けり」
(「駿河国新風土記」の久能寺の条より)
中村一氏は、近江国甲賀出身で、甲賀二十一家の一つ、瀧(多喜)氏の出とされ、豊臣秀吉に仕えていました。
後に駿河の大名となり、所領にある久能寺に伝わる義経の薄墨の笛が破損していたので、文禄4年(1595年)に笛を修理して納めた書かれています。
久能寺物薄墨之笛損候 在当国 立節拵直遣之華 末代無他出 可被重宝之候也
文禄四年卯月廿二日 中村式部少輔一氏
久能寺衆徒中
そして、記念(しるし)として、自分の苗字である「村」の字を、金で笛の頭に埋め込んだとあります。
演奏会の際に見せていただいた薄墨の笛にはたしかに「村」の字が刻まれていました。
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「中村一氏」と言えば、山内一豊の同僚ですね。
「功名が辻」では、田村淳が演じてました。
義経に関連してその名前を聞くなんて、驚きです。
そして、その立派な行いが嬉しいですね。
投稿: merry | 2008年11月17日 (月) 19時36分
merryさん、コメントありがとうございます。
「功名が辻」のロンブーが演じた中村一氏が
まだ記憶に新しいですね。
まさか義経と関連していたとは私も驚きました。
やはり「歴史は繋がっている」のですね。
投稿: しずか | 2008年11月17日 (月) 23時49分